風の羅針盤 | Destination of winds.

【アンソロジィ】グッバイ〜あなたに

time 2016/03/25  所要時間:約 3

【アンソロジィ】グッバイ〜あなたに

グッバイ。

過去の私に投げかける。

 

グッバイ。

そこに、忘れたい過去があるから。

新しい私を見つけたから。

 

グッバイ。

今私の瞳に映るものは、新しい世界。

淀み、くすんでいた灰色の世界に、鮮やかな色とりどりの風が舞い込む。

 

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勇気

街にレンズを向ければ、キラキラと笑いながら行き過ぎる人。

反対に、深刻そうに一寸先をじっと見つめならが下を向いて歩く人。

そんな人にカメラを向ける。

 

カメラのファインダーを覗いた瞬間に、私の手にはらりと舞い降りる一片の温もり。

私は精一杯の気持ちで、思いのままに文章を書き、ありのままの世界を写真に撮り、作品にする。

 

悩みを抱えた人の深刻な表情、未来への希望に満ち溢れた若者。

冬の終わりを告げる生暖かい風や、膨らんだ桜の蕾。

 

道端に転がるちっぽけな小さな石ころさえ、どれを取っても私には愛おしい。

 

心に、小さな小さな夢が灯をともして、一歩、また一歩と前に進む勇気が生まれる。

自分を変えたいと思ったあの日。

どうせ変わらないと思ったあの日。

その間で頼りなくゆらゆら揺れていた。

 

たとえ少しずつでも、人とやり方が違っても、

必ずきっと、それぞれが笑顔で居られる時間があると信じてる。

今ならそう思える気がする。

 

悲しいことはたくさんある。

今日はいいことがあった、そんな日の翌日に辛いことがある。

なんでうまくいかないのだろうと悩んだ、あの日。

世の中には、悲しいことと嬉しいこと。それは半分つづじゃない。

おそらく悲しいことの方が少しばかり多い、そんな気がする。

 

でも、皆に平等に時は流れて、夜は更けていく。

きっと明日はいいことがある。

悲しいことなんて、朝が来たら捨ててしまおう。

 

孤独。

たった独りでいる寂しさ。

そして、大勢の中でもし自分がここで忽然と姿を消しても、誰も気づかないんじゃないかと思うような寂しさ。

グッバイ1

辛いと思った私を、必ず誰かが見てくれている人がいる。

きっといる。

神に見放された人なんていないはずだ。

 

長いトンネルから抜け出せずに、何度も挫けそうになって、やっと見つけた遠くの光。

そこにともる光は、孤独な私の道標。

一心不乱にその光を目指して歩けば、辛いことも忘れてしまうさ。

 

あなたに。

夢。

それは叶うかどうかはわからない。

叶うか叶わないかは結果論だ。

何より大切なのは、夢を持つこと。

そしてそれは何より尊いもの。

 

心。

それはガラスのように簡単に落とせば弾けて割れてしまうもの。

一見強そうに見える大木だって、そよ風で枝を折る弱さがある。

軽く踏みつければしおれてしまうような道端に咲く花は、めげずにコンクリートの裂け目から芽を出し、陽の光を求めて地上に花を咲かす強さがある。

強い人だって弱いし、弱い人だって強いのだ。

 

勇気。

誰に勝たなくてもいい。

自分に勝てばいい。

思いのままに、自分の足で、少しずつでも前に進めば、

例え思っていたものと違っていても、何かが実る。

 

愛。

例え愛する人の記憶からあなたの記憶がなくなり、あなたが傷付いても。

例え時が大切な人を変え、あなたを悲しませても。

必ず時を超えて、あなたはその手で人に与えた愛は、消えずにあなたの後ろからあなたを守っている。

その愛は、あなたに必ず、優しい。

 

 

 

グッバイ。

昨日の自分。

 

グッバイ。

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